楽曲ごとに毎回新たな側面を覗かせてくれる中島美嘉であるが、最近の彼女は、これまで以上にフレッシュな空気が漂っている。新曲「Forget Me Not」ではおなじみの中島節が炸裂されているものの、何かが吹っ切れたかのように、彼女は潔い姿、歌声を轟かせる。デビューから15年、結婚生活も2年と新たな転機を迎えた彼女に、歌手として、ひとりの女性として、今の中島美嘉だからこそ言える、素直な想いを語ってもらった。
もしも自分で最期を決めれるのならば、愛する人を見送ってからにしたい
――新曲「Forget Me Not」は、切なくも温かなバラードソングとなっていますね。
中島美嘉 この曲を聴いたときに「また悲しいバラードだな」と思ったんです。映画『ボクの妻と結婚してください。』の主題歌としてのお話をいただいてレコーディングに臨んだのですが、この映画は私自身もそうだったのですが、涙なくしては見られない作品となっていて。制作者サイドから「悲しくしないでください。とにかく心が温まるような曲がいいです」との要望をいただき、切ない涙ではなく、聴いてくださる方の心が温まるような涙にしたくて、気持ちを込めて歌いました。
――ということは、最初のころは?
中島美嘉 全然好きになれなかったですね。自分の理想とする声ではなかったから。そもそもはロックが好きで、そっち系の曲を歌いたいと思っていたから、もっと太くてハスキーな声に憧れていたんです。だけど、今ではこの声だからこそ、今回の「Forget Me Not」のような壮大なバラード曲を求めてくださる方がいらっしゃるんだなって、この声のありがたさに気づけるようになりました。